例えば校庭でマラソンの練習をしているとして、たくさんの人が私を抜かしていきます。
「頑張ってね」と背中をポンと叩いていく人。
無言で走り去る人。
からかっていく人。
彼らの背中を見ながら、「世の中には、いろんな人がいる」ということを知る。
人生も同じで、目の前にはたくさんの背中があります。
もちろん置いていかれて悲しい気持ちはありますが、それ以上に、ほっとするのです。
気が付けば、いつもたくさんの背中を見てきた
学生時代、私は風紀委員のような役割を担当することが多かったです。
朝礼で列をつくるとき、一番前に学級委員が立ち、私は一番後ろに立ちます。
クラスメート全員の背中が、そこにはありました。
私は、周りの目を気にしてしまうタイプなので、最後尾にいると落ち着きました。
誰にも見られていないし、急に話しかけられて慌てることもない。
自分のペースでいられるから。
30代になった今、多くの友達は子育てに追われていたり、出世していたり、フリーランスになっていたりと、「人生の成功者」になっていて、恋人がおらず出世の可能性がない私は、周回遅れ。
ですが、彼らの話を聞くのが、とても新鮮で楽しい。
周回遅れだからこそ、見えるものがある
私が周回遅れだと思う理由は4つ。
- 正社員になるのに15年以上かかった
- 信頼できる友達ができたのが20代半ばから
- 恋人ができたことがない(恋人未満はある)
- 絵が描けるなどの誇れる技術を持っていない
会社員としてのレベルが低いし、恋愛スキルも、手に職も持っていない。
壁にぶつかり挫折してしまったり、つらいことから逃げてばかりいたから。
失敗が怖くて、逃げているうちに、手元になにもなくなってしまっていた。
今から何かを始めるのは、とてもエネルギーがいるし、若い人のように頑張れるかどうかはわかりません。
でも、周りに誰もいなくなったからこそ、自分のペースで頑張れる。
誰かと比べて落ち込むことはありません。
だって、もう手の届かないところに行ってしまっているので、比べようが無いから。
「すごいなぁ」と尊敬することはあっても、落ち込んだり、腹を立てることがない。
あとは、いろんな人の成功・失敗談を見てきているので、大きな失敗が少ない。
長女より次女のほうが、世渡りが上手いのと同じようなものです。
ひとつずつ成長していける毎日が、とても楽しい
周りから見たら、独身で年収低いかわいそうな女性かもしれないし、あわれかもしれない。
でも、期待されなくなって正直ほっとしている。
やっと自分のことだけを見ていられる。
今が一番、充実している。
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