ディズニー映画「リトルマーメイド」の実写版が公開されました。
壮大なスケールの演出と、キャラクターたちの人柄や過去を丁寧に描く繊細さが合わさった作品で、とても感動しました。
歌声の良さ、これに尽きる
実写版を観にいこうと思った理由は、アリエルの歌声に魅了されたから。
澄んだ歌声と、感情の込め方に、自然と涙があふれてくる。
「歌が上手い」の先にある、心を震わせる歌声だと思いました。
映画を観にいったところ、エリック王子の歌唱シーンもあったのですが、声がすごく良くてびっくり。
ディズニー映画は各国の吹き替え版をつくるときに、似た声の人を選びますが、
声を重視して配役を決めているのだなと改めて思いました。
セバスチャンとフランダー、アニメ版そっくり。
勇敢な人は、決められた運命を乗り越えられる
ディズニー映画の多くは、主人公が勇敢で強い女の子だと思っていて、アリエルもその一人。
- 冒頭でサメに襲われるシーンで、フランダーのピンチに身を挺して戦います。
- エリック王子の沈没時も、危険を顧みず助けに行きます。
- アースラとの戦いでも、決してひるみません。
大切な友のため、愛する人のため、父のために戦いながら、
「人間と人魚は一緒に暮らせない」という運命に打ち勝っていく姿に、勇気をたくさんもらいました。
冒頭のメッセージが最後まで響いてくる
映画の冒頭に、原作者アンデルセンの言葉がでてきます。
人魚は涙を流せない。だから余計につらかった
言われてみれば確かに、海の中では涙を流せません。
トリトン王に秘密基地を壊され、絶望したところでも、アリエルは涙を流していません。
ですが、陸に上がってからは、涙を流すシーンがでてきます。
トリトン王の涙が愛おしかったです。
細かすぎて伝わらない、好きなシーン
①アリエルの優しさが描かれた場面
船が沈没したとき、エリック王子のペットの犬が、避難船まで泳いでいくところ。
アリエルが、海の中からこっそり、犬のお腹を支えて船まで導く姿に、じんわり泣きました。
②惹かれあう明確な理由
アニメ版に比べて、キャラクターの背景が丁寧に描かれていると感じたのは、
冒頭の船のシーンで、エリック王子の言葉を聞くアリエルが「自分と似ている」と感じてるところ。
好奇心があって、もっと世界を知りたいと思っている共通点に、心躍らせているように思いました。
また、声を失ったあと、エリック王子の部屋(秘密基地のような場所)での、2人のやりとり。
エリック王子が、とある岩を見せたとき、アリエルが躊躇なくそれをたたき割ります。
すると、中からキラキラ輝く宝石のようなものが。
それだけでなく、貝殻を笛のように吹くアリエルに、王子は驚き、感動しています。
同じものに興味を持ってくれただけでなく、新しい発見までくれるアリエルに、王子が惹かれるのもわかります。
③トリトン王の自責
アリエルが失踪(人間になった時期)し、姉たちに捜索させている間、
トリトン王が「自分が悪かったのだろうか…」と自責しているシーンです。
トリトン王が過保護になり、アリエルが人間に興味を持つのを阻止しようとするのは、
愛する妻の亡くなった理由に「人間」と「音楽」があるから。
その気持ちはわかりますが、子供の自由を奪う理由にはなりません。
そのことにトリトン王が気付き、アリエルのピンチを身代わりになり、
「寂しい」と言いながらも、娘の幸せを願うことを選ぶ親の愛が沁みました。
王の愛が、アリエルに届いたラストシーンも素敵でした。
④王子への信頼と…
アースラとの戦いが終わったとき。
まだ海が荒れているにも関わらず、「エリック王子は大丈夫」という信頼のもと、海に潜っていくアリエル。
父のことが気がかりでならなかったのだろうと思い、親子愛を感じました。
⑤ヴァネッサが忘れられなくなる
映画を観にいってから、日がたつにつれてヴァネッサのことばかり考えるようになってしまった。
めちゃくちゃ美人なのに、心の中が真っ黒なのが、表情やしぐさに現れてて。
とても惹かれてしまう。なぜだろう。
華やかで、ダイナミックで、心の動きを繊細に描く作品でした
様々な技術で海の壮大なシーンを描き、歌唱パートは華やかに、
それでいて、アリエルの声が出ないからというのもあると思いますが、心の動きの描き方がとても素敵で
観にいってよかったなと思いました。