就職氷河期の女性が、15年以上かけて正社員になって見えたもの

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就職活動に失敗し、ニート・引きこもりの選択肢が浮かぶギリギリのところから
生きるためにどうしたらいいかと考え、もがきながら約15年以上。

やっと正社員になり、派遣切りの不安が無い毎日になりました。

最近はブラック企業で働くことに疲れ、責任の少ない派遣社員を選ぶ人が多いですが
非正規社員として働く大変さを、自分の経験をもとに伝えたいと思います。

正社員になるまでの道のり

倍率が高すぎて、バイトすら決まらなかった就活時代

私は就職氷河期の終わりごろの世代でしたが、
求人倍率は高く、新卒よりも経験者を採用したがる企業が多かったです。

どの企業もほぼ門前払いのような毎日。
クラスメートも内定の話をする人はほとんどいないまま卒業式を迎えました。

アルバイトで食いつなごうとしても、バイトの求人すらも倍率が高い。
今の人材不足の時代とは真逆でした。

派遣社員で食いつなぐも、安月給で実家を出られない

当時はまだ今のように自由にインターネットができる時代ではありませんでした。
ネットの接続時間で通信費が決まるので、1日1時間以内みたいな状況。
仕事が決まらなかったときの選択肢を調べる術がなく、ニート・引きこもりになる道しかないと思っていました。

ネットリテラシーの高い親から「派遣社員というものがある」と教えてもらえなかったら
今頃どうなっていたか分かりません。

私が藁をもつかむ思いで登録した派遣会社は、時給8~900円ほどしかなく、残業禁止。
とても実家を出て一人暮らしができる金額ではありませんでした。

給与明細を見るたびにため息をついていましたが、それでも働かないよりはマシでした。

ことは
ことは

今はYouTuberなど追加収入を得られるので
将来はフリーランスでと思っている人は派遣社員も一つの方法ですが
よほど計画性が高い人じゃないと難しいと思います…。

残業OKのバイトに転職し、収入は微アップもヘトヘト…

好きな業界でバイトの求人がでていたので転職しました。
ルーティンワーク中心の派遣社員よりも仕事の幅が広く、残業OK。
午後半休が取りやすかったので、ライブハウスに毎週通う生活を送りました。

実家を出たいが、出られる収入がなかったので
自分のことを知ってる人がいない、ライブハウスは私が私でいられる居場所でした。

収入は前職よりアップしましたが、残業代で稼いでいる状況だったので体力的にはつらかったです。
あと女性バイトの多い部署だったので、セクハラされることも…。

意を決して巣立つも暗黒期突入

先輩に逃げたほうがいいとアドバイスされ、巣立ちの時だと飛び出しました。
ここから5年ほど暗黒期が続きます。

現在まで派遣社員とバイトの経験しかないので、正社員になれない。
なんとか契約社員になれても、正社員になる条件が明言されていないので、
目の前にニンジンをぶら下げられた馬のようにから回っていることしかできませんでした。

  • 過酷な条件をのまされて、うつ症状と希死念慮でボロボロになって退職
  • 未経験だからと残業代がでないのに終電帰りの毎日に
  • 頼まれた仕事を頑張ったのに、手柄を横取りされる


など、ここに書けないようなこと含め、様々な苦難がありました。

ことは
ことは

メンタルをやられて退職した場合、自己都合退職なので
3か月待たないと失業保険が貰えない苦しみがプラスされます…

今思えば、そんな人と結婚しなくて良かったのですが
付き合ってた人が二股をかけていて、どっちと結婚するかを収入で決めようとしていました。
もちろん私の収入は合格ラインにはのらず、別の人と結婚していきました。

結構長く付き合っていたので、婚期を完全に逃してしまいました。

努力を評価する企業に出会う(偶然)

暗黒期の終わりに、とある企業に派遣社員として入社しました。
その会社は、努力を評価する社風で、当時の社長は元バイトでした。

どう努力すれば評価されるかが明確だったのと、派遣会社の営業の人がとても協力的で
直雇用を目指しましょう!」と言ってくれたので、3年間がむしゃらに頑張りました。

今思えば「これ正社員がやる仕事では…?」と思う業務を任されるようになり
コロナ渦で人件費を削減する流れの中、なんとかギリギリ正社員になりました。

このときに思ったのは、

  • 「素直+誠実に頑張る」だけでは、評価されない
  • ときには根回し、かけひき、卑怯さが必要
  • 運に左右される

という、これまでの価値観を壊さないと受け入れられないものたちでした。

社会というのはこんなにも非誠実なものの集まりで、
でもそれを利用しながら、うまく波に乗らないと溺れてしまうのだと。

ことは
ことは

仕事以外で、自分らしくいられる居場所をつくらないと
心が壊れてしまうと思い、ブログをはじめたところもあります

正社員になって見えた景色

正社員になって周囲を見渡すと、さらに残酷な景色が広がっていました。

  • 面倒な仕事は、社歴の浅い人に押し付けるもの
  • 忙しいフリをしているが、多くの業務を派遣社員に依頼している
  • 部下の手柄を平気で横取りして出世する

たまたま派遣社員の多くが、ルーティンワークや細かいチェックが必要な業務が得意な人ばかりなだけで
ミスが許されない仕事の多くを、派遣社員が担っていることに気づきました。

こんな働き方をしている人たちが…正社員…?
と、かなりショックでした。

誠実な人
気遣いができる人
丁寧な仕事をする人

彼らはかっこうのエサ。
断りづらい彼らの性質を利用して、複雑な仕事を押し付け、ボロ雑巾になったら捨てる。

それが当たり前になっている社会で、生き残るにはどうしたらいいか。

①そういうものだと受け入れる

社会を変えるのは難しいので、これが今の「当たり前」なのだと受け入れる。
その上で、どう立ち居振る舞えば最小限のストレスで済むかを考える。

仕事は自分のスキルを売ってお給料をいただくものであり、友達をつくる場所ではないこと。

残業を最小限におさえ、できるだけ自分の時間をつくってリフレッシュすること。
メンタルケアをしっかりすること。

私はこっちのスタンスでなんとか頑張れています。

②そういう場所から離れる(リスクあり)

おそらく多くの「正社員から派遣社員になった人」はここに該当すると思います。
逃げるは恥だが役に立つ、です。

自分の心と体のために、ストレスの原因から離れるのは大切なことです。
ですが、私はそうやって10年以上逃げてきました。
仕事の経験値は上がっていかないので、未経験歓迎職種に応募するしかなくなる。非正規雇用の求人ばかり。

逃げるのは自分のために大切なことです。
でも、その行動にはリスクが伴います。

たとえば、派遣社員は45歳以上になると紹介される仕事量が減ります。
この辺の話は別の記事で書いてるので、ぜひご覧ください。

そういう会社から逃げ続けると、フリーランスで働く選択肢が浮かんでくると思います。
ここに落とし穴があります。

様々なスクールが増えていると感じているのですが、転職サポートをしているところが少ないです。
それは、スクールで学んだ知識だけでの転職が難しいことが多いからです。
それでも「理想の働き方をしよう」と甘い言葉に誘われ、高額な授業料を支払ってしまうケースも。

③理想の職場探しを諦めない

ジブリ映画「耳をすませば」のお父さんのセリフを良く思い出します。

人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。

「耳をすませば」より

正社員として定年まで働くことが推奨されている今の社会で、そうではない生き方をするのは大変です。
多くの覚悟と、やり遂げようとするエネルギーと、理想図が描けている必要がある。

絶対にあきらめない強い気持ちを持続できるなら、理想の職場探しをし続けることもありだと思います。

最近はキャリアカウンセリングのサービスが増えてきたので、人生設計のサポートをしてくれます。
自分では気づけない強みを知ることが出来たりするので、以外な選択肢が生まれ、転職が上手くいくかもしれません。

老後は不安しかないですが、頑張ります

私は就職氷河期世代でも運のよいほうだと思っています。
人材不足や働き方改革によるブラック企業化の荒波にのまれないよう必死です。

だから思うのは、安定を望んで正社員でのキャリアを諦めるのも良いのですが
そこにあるリスクのことも考えてほしいと思います。

本当に老後が心配でしょうがないのですが、これからも諦めずに頑張ります。