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映画「ハイキュー!!」は、この瞬間しか得られない「想い」がある

「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」を観てきました。
アニメを見返してから行こうと思っていたのですが、勢いで。

手に汗握る白熱の試合を映画館で観られて興奮しましたし、
Aくんの話と見せかけたBくんの話で泣きました。

目次

映画のあらすじ

烏野(からすの)高校と音駒(ねこま)高校は、
学校名から「カラス」と「ネコ」に例えられ、ライバルである両校の戦いは「ゴミ捨て場の決戦」と言われている。

春の高校バレー宮城県代表決定戦で勝ち進んだ烏野高校は、ついに音駒高校と対戦。

これまで、練習試合での交流が多く、試合後「もう1回!」ができた。
でも今回は「もう1回!」ができない戦い。激闘がスタートする。

音と構成で魅せまくる、あっという間の85分間

映画はほとんど試合の風景で、回想シーンなどは少なかったと思う。
それなのに、攻撃に長けた烏野高校と、その場で戦術を組み立てて、後半で追い上げていく音駒高校。
前回と同じ戦い方では歯が立たないので、その場その場で作戦を立てて実行していくので飽きることが無い。

アニメのときから感じていた、ボールの音(レシーブやアタック時など)が映画館だとより映えて臨場感がプラスされる。
その試合を盛り上げる劇伴(BGM)もかっこいい。

実際の試合を見ているような臨場感。
それでいて、高校生らしい彼らの心情、背景などが繊細に描かれていて、
自分も学生時代こういう青春を送っていたとかみしめた。

バレーは大人になっても続けられる。
でも、このメンバーで試合ができるのは今だけ。
凝縮された時間を、全身全霊で駆け抜けていく彼らの姿は爽快で、ぐっときた。

原作を読んでいないので、もしかしたらマンガのほうもそうなのかもしれないが
絵コンテの人、最高では…!?と思った場所がある。

公式X(Twitter)が公開している場面写真にも入っていた。
試合終盤の研磨と黒尾のカット。ここが最高に好きでした。

ある男を変えたい男たちのストーリーでもある ※ここからネタバレ

この映画は、ライバル校の白熱した試合を見せるだけのストーリーではない。

予告編を観たときに、彼の話なのかと思った。
バレーは好きだけど、絶対に勝つ!みたいな情熱を持っていない孤爪 研磨という男の。

この予想は正しい。
が、完璧な回答ではない。

研磨に「バレー楽しい!」って思わせたい、日向 翔陽…と見せかけた、黒尾 鉄朗の話だった。

黒尾は一見、陽キャで社交性の高い好青年(だが捻くれてる)のイメージがある。
でも、研磨をバレーの世界にムリヤリ引っ張ってきてしまったかもしれない後悔と
自分が夢中になっているバレーを、研磨にも「本当の意味で」好きになってほしいと思っている。

でも強引になるのではなく、彼を見守りながら、好きになってもらう機会を探っていた。
黒尾の面倒見の良さは、研磨のための環境づくりのためだったのかもしれない。

そして黒尾は、主人公・日向 翔陽が同じ想いを研磨に抱いているのに気づいたのかもしれない。
日向のやり方なら、研磨が良い方向に変化してくかもしれないと、願ったのではないだろうか。
(そういう描写はないので、あくまで想像ですが)

終盤、研磨が「バレー楽しい」とつぶやくシーンがある。
ここが最高に好きだ。
日向の喜びの咆哮に隠れた、黒尾の心からの喜びの笑いが。

ああ、彼は今この瞬間、救われたんだなと。

その他の好きなシーン

月島推しなので、笑ったシーンに転がった。
アップで笑ったあと、画面の隅っこでも笑ってるの何。かわいいかよ。
彼もまた、バレー楽しい!の人になって本当に良かったと思う。

あと山口がピンチサーバーとしてコートに入るたびに涙腺が緩んでしまう。
人にはいろんな役割があって、強みを活かせる場所があって
その道を究めることで、唯一無二のポジションにつけるんだと勇気を貰える。

それから日向と研磨の関係って何?と聞かれたときの、
「友達だよ」の2人がナイフ持ってるのが最高に好き。

黒尾と研磨の関係もそうなのですが、一言でいうなら「友達」だけど、もっと深いところで信頼しあっていて
友達とか親友とか、家族とか恋人とか、そういう言葉で表現できない「大切な存在」っていうのが好きです。
なので今回の映画は、日向と黒尾が「やったー!」って喜んでるところがとても愛おしかったです。

なんていうか、こういう経験をしてるかしてないかで、大人になってからの幸福度が変わると思ってるので
良かったなぁ…と親心みたいな気持ちで見ていました。

友達に「絶対泣くよ」と言われていて我慢してたのですが、
最後の病室でのエア握手で涙腺こわれました。

ボールを床に落とさないゲーム。
その中につまったたくさんのドラマに立ちあえて本当に良かったなと思います。最高でした。

著:古舘春一
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